詩集って本の中でもあまり馴染みのない分野の本だと思います。
私もこれまで読んだことがある詩といったら、教科書に載っているものくらいでした。
金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」とか。
そんな私が思わず買ってしまった詩集が『アイスクリームの皇帝』です。
この詩集には25この詩がおさめられており、それぞれの原文、日本語訳、絵画訳が見開き1ページを使って載せられています。
この本ではひとつひとつの詩に対して、きたむらさとしさんの絵が添えられています。
それが詩の絵画訳です。
その絵が本当に素敵で、毎日1ページずつ開いて飾っておきたいくらいです。
詩の絵本
帯によると、この本は
見開きごとに詩の景色が広がる
詩の絵本の決定版!
です。
”詩の絵本”という言葉には確かにそうだなと思いました。
絵本というのは、ページごとに絵と文が載っていて、それぞれが対応しています。
「今日はスミちゃんがパンケーキを作っています」
という文があったら、”スミちゃんがパンケーキを作っている” 絵が同じページにあるのでしょう。
この詩集でも同じで、絵は詩の世界観を表しています。
詩集の訳者である柴田元幸さんによれば、詩の絵画訳です。
絵本は字の読めない子どもでも、絵をたどることで楽しむことができるようになっています。
私は詩の世界では子どものようなものなので、この絵を感覚的にとらえることで詩の雰囲気をつかめるのが、とても楽しかったです。
「柴田元幸さん」について
柴田さんは『アイスクリームの皇帝』の収録作品の選者であり、日本語訳をされている方です。
柴田さんのプロフィールはこんな感じです。
- 1954年生まれ
- アメリカ文学研究者、翻訳者
- 文芸誌「MONKEY」の編集長
私は詩についての知識が全くないのですが、『アイスクリームの皇帝』の最後に掲載されている、
「収録作家・作品解説」
は簡潔でとても分かりやすかったです。
「きたむらさとしさん」について
きたむらさとしさんは、『アイスクリームの皇帝』で挿絵を描かれている方です。
プロフィールはこんな感じです。
- 1956年生まれ
- 絵本作家、イラストレーターとして
- イギリスと日本で活躍
ハーウィン・オラムとの共作『Angry Arthur』(『ぼくはおこった』)ではイギリスのマザーグース賞を受賞しています。
また、「ぞうのエルマーシリーズ」の翻訳者としても有名です。
ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー (ぞうのエルマー (1))
『アイスクリームの皇帝』では、詩の絵画訳を担当されています。
選者・日本語訳をしている柴田さんのあとがきでは、きたむらさんは英語も堪能なので、柴田さんの日本語訳をみずに絵を描く場合もあったそうです。
まとめ
今回は、私の大好きな詩集『アイスクリームの皇帝』を紹介しました。
普段、詩にあまり興味がない人でも、スラスラ、パラパラ読めてしまうと思います。
ぜひ本屋さんでこの本を見つけたら、パッとどこか好きなページを開いてみてください。
そして、きたむらさんの絵に惹かれ、思わず買ってしまってください。